福岡 小倉の精神科、南ヶ丘病院

医療法人 清陵会 南ヶ丘病院
院長小原 尚利
南ヶ丘病院の院長として、精神科医療と病院づくりを牽引する。
事務長末光 晋也
公立中学校で教員として勤務の後、精神保健福祉士の資格を取得し、2000年より当院にて地域医療に従事。2013年より現職。院内外で様々な保健・医療・福祉の活動に参加している。
地域連携・入退院支援センター長泉 憲介
精神保健福祉士として障害福祉関連の事業所で勤務の後、精神科病院で20年間の勤務を経て、2026年4月より現職。院内外でのシームレスな連携体制の構築に取り組んでいる。
※肩書きは対談当時のものとなります。

南ヶ丘病院に加わった新しい仲間


末光
泉さんが今年2026年に南ヶ丘病院に来られたということで、これからの南ヶ丘病院が目指す姿について語ろうという企画です。なかなか自分は表に出ることがないので、すごく緊張していますが、泉さん、小原院長よろしくお願いします。
小原
末光さんは緊張しないでしょう(笑)。泉さんと末光さんとこうやって話せること、すごく楽しみにしていました。
ありがとうございます。よろしくお願いします。末光さんとは実はすごく付き合いが長くて、出会いは25年ぐらい前なんです。精神保健福祉士(以下、MHSW)という資格ができたのが1997年で、末光さんも私も初期の頃にMHSWの資格を取得しました。当時は、北九州にもMHSWという職種の人は少なくて、北九州地区の精神保健福祉士の協会でご一緒してきたというご縁です。
末光
そうですね。最初の接点はそこで、泉さんは北九州エリアを牽引する中核的な精神科病院に勤められていました。去年、南ヶ丘病院では医療連携室を強化したいという課題があって、そこで小原院長と一緒に泉さんにお話を聞かせていただきに行ったというのが久しぶりの再会でしたね。
小原
最初にお会いした時から、泉さんの仕事にかける想いやチームづくりに対する熱量はすごくて、お話を聞くだけで温度が伝わってくるようでした。特に若い世代に対するマネジメントやチームビルディングに対する知見がすごく深くて、勉強になることばかりでした。
僕も小原院長のお話はすごく心に残るお話ばかりで、病院のホームページで発信されている内容に近いですが、精神科医療の未来だったり、病院づくりについてはすごく興味を持ってお話を聞かせてもらいました。また、南ヶ丘病院は、末光さんというMHSW出身の方が事務長になっているのもすごく特徴的だな、と感じていました。全国の精神科病院を見渡しても、MHSW出身の方が事務長という立場で病院の経営に携わるのは、まだ珍しいと思います。それだけ、「医療連携」ということに力を入れているという証左だなとも感じました。
末光
その後南ヶ丘病院に来て下さることになったのは、正直意外なところもありました。すごく大きな病院で仕事をされてきたので、南ヶ丘病院で一緒に働けることになるとは。
そうですね。いろいろ悩むことも多かったのですが、自分自身のチャレンジとして南ヶ丘病院で働くことを選びました。前職の病院や仲間のことは今でも大好きですし、心から感謝しています。自分がいい歳になってきた中で、もう一度新しくチャレンジしたい、という気持ちが強くなって、そのチャレンジの場として南ヶ丘病院を選んだ、という経緯です。
末光
僕から見ると、泉さんも小原院長も、すごく同じ方向性の話をしていて、波長が合うんだろうなぁというのは感じていました。
小原
2025年の7月にお会いしたんですが、暑い駐車場で泉さんが見送ってくださって、末光さんの運転する車でさらに熱い気持ちで語りながら帰ったのを鮮明に記憶していますね(笑)。

病院という組織には、
「チーム力」を高める伸びしろがある


末光
泉さんが南ヶ丘病院に来られたことで、南ヶ丘病院の新しい組織づくりが始まっている感覚があります。泉さんが来てくれたことによって、僕たちがまだ出来なかったことが、実現していけるという期待や手応えは、確かに感じています。
末光さん、あんまり期待ばっかり大きくなるようなこと言うの、やめてもらっていいですか(笑)。末光さんとも一緒にやるんですから。
小原
やっぱり仲良いですね(笑)。
末光
失礼しました。でも冗談で言っているのではなくて、泉さんが来てくれたことによって、僕たちがまだ出来なかったことが、実現していけるという期待や手応えは、確かに感じています。
小原
そうですね。やっぱり病院という組織において、「チームマネジメント」というのは例えば企業やスポーツチームに比べて、未発達な部分が多いと感じます。医師や看護師やMHSWというそれぞれが資格を持った専門職であり、プレイヤーとしてやるべきことが一定定義されている仕事です。その中で、「チームで仕事をする」ということに関しての勉強や教育は、まだまだ未整備な業界と言えると思います。
おっしゃる通りだと思います。病院の場合、他の業界に比べて、プレイヤーとして優秀な人が役職に就き管理職という立場になる、ということがすごく多いです。それはそれで当たり前のことではあるのですが、例えば企業で管理職が学ぶような「マネジメント」という概念や理論を、学ぶ機会は多くない。マネージャーもメンバーも、自分の仕事に対する専門性は高まっていくけれど、「組織で働く」「チームで働く」ということに関しては、まだまだ伸びしろがあるのが医療業界だと思います。
小原
病院の全てをドラスチックに今すぐ全部変えます、ということではないのですが、段階を踏みながら「組織力」「チーム力」の高い病院にしていきたいと思っています。そもそも、ありがたいことに南ヶ丘病院で働く人たちは、患者さんへの想いや、一緒に働く仲間たちへの温かくて熱い想いを持った人ばかりです。今までのやり方を否定するというようなことではなく、1+1を2以上にしていくような生産性やチームで働く喜びを増やしていきたい、という意図です。
末光
そうですね。「学びつづける」という南ヶ丘病院のバリューは、文化として根付いてきている実感がありますし、それに共感して入職してくれた人が多いので、「新しい学び」については積極的に取り組んでくれると思います。
院長が「段階的に」と話されましたが、まさにそうで、まずは僕はMHSWというチームから変化を起こしていきたいと思います。病院が目指す姿から導かれるMHSWチームが目指す姿、そこに一人ひとりの成長目標が紐付き、教育や評価も連動していく。そして、仕事において得られたナレッジやスキルも、属人化させずにチーム内でシェアして水平展開していく。仕組み化とか見える化という言葉を使うと、ドライな組織のように受け取る人もいるのですが、実際は全く逆で、一人ひとりを孤独にしない。チームで成果を上げて、個人の成長もさらに促進させる。そんなチームをつくっていきたいと思います。

「アンチ・スティグマ」の中枢として、
病院と地域の架け橋になるMHSWに


小原
泉さんがMHSWチームのビジョンとして掲げてくれた「架け橋」というのは、僕はすごくいい言葉だなと思っています。
ありがとうございます。僕自身がMHSWとして働いてきた実感からも、MHSWってすごく意味のある仕事だと思っています。病院と地域との架け橋でもあるし、組織の中での架け橋にもなれる。関わる人全てをハッピーにすることができるのが、MHSWの仕事の醍醐味だと思います。南ヶ丘で働くMHSWのメンバー一人ひとりがその醍醐味を味わってほしいと思いますし、そうできるように支援していきたいと思います。MHSWは「何でも屋」という認識を持たれることがありますが、それを褒め言葉として受け止められるようになってほしい。何でも屋でもあるし、僕らにしか出来ない専門的な仕事がある。それが、MHSWという仕事の誇りだと思います。
末光
「アンチ・スティグマ」という南ヶ丘病院のビジョンの実現に向けて、一番先頭で地域の方々と接するのはMHSWの人たちですものね。
小原
その通りです。MHSWは南ヶ丘病院の「アンチ・スティグマ」の中枢です。医師・看護師が患者さん・精神疾患と向き合っていくということの、もう一歩先にある行政や地域との連携。地域の方々と共に歩む、という当院が在りたい姿の実現に向けて、MHSWチームをさらに進化させていきたいと思います。泉さん、末光さん、そして南ヶ丘の皆さんと一緒に挑戦できることを、心から嬉しく思っています。
ありがとうございます。一歩ずつ、しっかり進んでいきたいと思います。

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